琉球武将 ハンアンチ
攀安知は沖縄本島の北部、今「ヤンバル(山原)」と呼ばれているエリアあたりをまとめていた武将(按司)です。その歴史資料やそれに基づいた解説は多くのサイトで紹介されていますのでそちらを見ていただけると良いかと思います。武芸に長けていて、気が荒い人なのだという感じかと思います。
攀安知も沖縄の歴史の王道からもれず、人徳がない統治者が周りの信を得ることができず、次々と裏切られていく運命をたどります。そして裏切った勢力は、当時中山(沖縄本島中部)をいた尚巴志につき、攀安知の居城である今帰仁城を攻めるわけです。
ここまでの話を聞くと、私は攀安知のことが気の毒になってしました。一国を治める君主とは大変な役目であるわけで、周りにいいことばかりはしていられないでしょう。今帰仁城を先代から引き継いだという系譜になっていますが、実は妾の子どもという説まで出ており、なんとも孤独感が漂います。(気持ち的には、離島から知らない土地に君主の方がしっくりきます)そして、最後には最も信頼していた家臣に裏切られるわけです。(最後の最後に、そんな仕打ちしないでくれ)その裏切りから今帰仁城は落ち、攀安知は自害することになります。
一言で、かわいそうな人です。そんな心の孤独をイメージにしたく、今回のハンアンチになりました。
(以下、フィクション)
沖縄の歴史資料にある通り、武芸には長けているわけですが、どちらかというと彼の感じている疎外感が、彼を強くさせた原動力であると考えました。しかし、ハンアンチは自分の持った力(武力)により、より一層疎外感を持つことになります。彼の力やその精神力に、周りはついていけなくなります。そして周りからはうっとおしい存在になっていきます。なぜなら、周りはそこまでして力や勢力を伸ばすよりも、いままで通りの生活を続けていきたいからです。そんな社会の空気の中でも、ハンアンチが唯一信頼できたのが、家臣のモトブ。モトブはハンアンチの望む、自分への厳しさをもち、共に切磋琢磨できる存在だったのでしょう・・・そして尚巴志との決戦の日がきます。
今回のキャラクター制作にあたり、背負った孤独を力に変え、周りにおもねることなく、自分の道を突き進んだハンアンチが、悲劇ですがかっこ良く思えてきました。いかがでしょうか?
0コメント