沖歴(おれ)ワクとは?
プロジェクトについて
「歴史ってよくわからない」とか「敷居が高い」とかいう言葉をよく耳にします。大学の先生が考える歴史はわかりませんが、歴史って「うわさ話」みたいなものかと思っています。手に入る資料をもとに、歴史の人物がどんなことをしたかとか、こんなことを考えたのではないかとか、空想を巡らすことだと思っています。また、沖縄の歴史資料はとても少ないので、その空想できる部分が多くあることをポジティブにとらえれば、歴史上の人物も身近な人のように感じられるかと思っています。
このプロジェクトでは、沖縄の歴史の戦国時代と言える「三山時代(さんざんじだい)」に焦点を当て、それぞれの陣地を支配していた武将たちの戦いやその周辺にいた人たち、そして島の環境を歴史を下敷きにしたフィクションそしてエンターテーメントを作り上げていくものです。歴史と言われると難しいもののように先入観を持たれがちですが、楽しい物語で、その物語を作る人物たちが魅力的であれば、見てもらえる人たちが増えるのではないかと考えています。
まずはキャラクター作りから始まり、ネットでの情報発信、グッズ製作等、そしてもっと大きな発信へ。多くの人たちに届き、沖縄の歴史の楽しさや沖縄そのものに触れるきっかけを作っていけたらと思います。
沖縄とヤマト(日本本土)の歴史
沖縄の戦国時代(三山時代)とは
1300年中期からおよそ100年ほどの期間に、3つに別れていた沖縄が統一された。
ヤマトでは2人の天皇が並立した混乱の南北朝、大陸ではモンゴル民族から漢民族が国を奪還、朝鮮半島では新たな王朝が成立した。激動の時代に沖縄だけが独立したオアシスとはなりえなかった。
沖縄本島では武将たちが北山、中山、南山と別れて、勢力を争っていた。また、今の那覇市内に久米村というコミュニティを作り活躍していた中国人( 華人)組織があった。彼らは当時の世界の最先端である大陸から技術や政治・外交を沖縄に持ち込み、沖縄の発展を支えながらも、ぞれぞれの思惑を持って、中国(明)と沖縄両国との橋渡しをしていた。
激変する環境に翻弄されながらも、自分たちの正義のために戦った北山の武将 ハンアンチ(攀安知)、中山の武将 ブネイ(武寧)、南山の武将 タルミイ(他魯毎)、そして田舎武将であるショウハシ(尚巴志)。彼らは何のために戦い、何を得たのか。
本プロジェクトでは歴史を基盤にしながらも、独自の解釈と、エンターテーメント性に重きをおいたフィクションとして、琉球武将の物語を作り上げていきます。
三山時代の領土とグスク
琉球武将の紹介
北山王 ハンアンチ(攀安知)
沖縄本島北部(北山)を支配した武将。今帰仁城(なきじんぐすく)を拠点としていた。
北は奄美大島まで支配し、当時の武将の中で最も広い地域を支配下においた。中国(明)との貿易で中国の礼服を調達したり、今帰仁城にトラを飼ったりしていたという。
沖縄随一の武芸の達人であったことと、今帰仁城の堅牢さから、北山を攻め落とすことは不可能だと思われていたが、仲間の裏切りによって落とされる。
部下の本部平原との関係が深かったにも関わらず、その裏切り劇に何があったのか歴史の謎になっている。
中山王 ブネイ(武寧)
沖縄本島中部(中山)を支配した武将。浦添城(うらそえぐすく)を拠点としていた。
沖縄一の勢力を有しており、中国(明)とのつながりも一番強固であった。また、中国との正式な外交関係を結ぶ冊封使をいち早く迎い入れた。
天女を母と持つ父親は彼の素質により中山の王となった。その陰に隠れて、ブネイは目立たなかったが、中国(明)の文化に子どもの頃から接した文化人であった。そのため民衆に彼の考え方が理解されず、ショウハシと戦うことになってしまった。
南山王 タルミイ(他魯毎)
沖縄本島南部(南山)を支配した武将。大里城(おおざとぐすく)を拠点としていた。
父親をおじに殺され、人間不信になっていたタルミイは、地域の有力者たちに推されて南山の王になった。地域の有力者の思惑に翻弄されながら、国を支配する自分なりの考え方を形成していく。
同じ南部出身のショウハシとは親交があり、ともに島を平和に治めることを議論し、一つの考え方に行き着く。今に残る歴史書に記されているタルミイの愚行の裏にはこのような背景があるのかもしれない。
ショウハシ(尚巴志)
沖縄本島南部の田舎の一集落を治めていた武将。佐敷上城(さしきうぃぐすく)を拠点としていた。
小さな地区の長であったショウハシが、親戚の敵討ちとして島添大里城(しまそえおおざとぐすく)との戦いに巻き込まれた。そこから彼の人生が変わっていく。
彼のまわりには、中国人で参謀のカイキやおばで神聖な能力を持つバテン・ノロの力を借りながら、自分より大きな力を持った武将たちと立ち向かっていく。
わかりやすい沖縄の歴史情報
この本は歴史人物がイラストで描かれ、わかりやすい言葉で解説されています。歴史を時系列で勉強するという感覚ではなく、「こんな人がいたんだぁ」と見ているだけで沖縄史を感じることができます。私はこの本から琉球史を知るようになりました。
実はまだよんでいないのですが、この表紙からみても、今までの琉球史を伝える本とは違うのではないかと期待しています。
音楽でも歴史を楽しむことができます。往年のミュージシャン宮永英一さんによる曲「琉球三國志」。ご興味がある方はこちらから試聴ができます。
行政による歴史をビデオ。ドローンをふんだんに使い世界遺産の中城城(なかぐすくぐすく)が映されているますが、それだけでもいい気持ちになってきます。行政制作であるだけにその地域出身の歴史人物にフォーカスがあたっていますが、護佐丸(ござまる)は三山時代に尚巴志を支援した武将です。
また、こちらでは、漫画やダンスという様々なアプローチで護佐丸を伝えようとしています。
スマホでできる沖縄の歴史を舞台としたゲームあります。恋愛ファンタジーゲームということで、歴史の勉強ができるかはわかりませんが、登場人物の中には実在した人物の名前もあるので、全くのファンタジーということではなさそう。
沖縄の歴史をアニメにしようという動きもあります。三山時代についてではないですが、物語では現代と歴史を結びつけ、アニメという手法でいままでに歴史に興味のなかった人たちへ沖縄の歴史を届ける。このアニメが製作され、全国の劇場で流されることを願っています。